キャッシュレス決済方法の1つであるKyashは、決済利用額に対して0.2%〜1.0%のポイントが還元されます。
しかし、クレジットカードやデビットカードからチャージした残高は還元率0.2%で固定され、月5万円までの利用分しか還元対象にはなりません。
さらに、他のキャッシュレス決済との組み合わせがほとんどできないため、お得に活用できる方法が現状はありません。
この記事では、
これらについて解説していきます。
Kyashの基本性能

Kyashには、2種類のカードタイプが存在します。
カード | Virtual![]() | ノーマル![]() |
---|---|---|
年会費 | 無料 | |
発行手数料 | 無料 | 900円 |
カードブランド | Visa | |
ポイント還元率 | Kyashマネー 0.5% 上限600P/月 | Kyashマネー 1.0% 上限1,000P/月 |
Kyashバリュー 0.2% 上限100P/月 | ||
付与ポイント | Kyashポイント ※1ポイント=1円 | |
チャージ方法 | クレジットカード 銀行口座 コンビニATM イマすぐ入金 | |
決済方法 | Apple Pay Google Pay オンライン | リアルカード Apple Pay Google Pay オンライン |
決済上限 | 10万円/回 15万円/月 | 30万円/回 100万円/月 |
残高上限 | Kyashマネー 100万円 Kyashバリュー 1,000万円 | |
チャージ上限 | 10万円/回 | 30万円/回 |
カード有効期限 | 5年間 |
『Kyash Card Lite』のサービスが2025年9月30日で終了されることになりました。※公式サイト
新規発行は4月10日に終了しており、再発行・有効期限更新受付は7月31日18時までとなっています。
年会費・発行手数料
サービスの利用に年会費はかかりません。
バーチャルカードである『Kyash Card Virtual』は無料で発行することができますが、リアルカードである『Kyash Card』(以下、ノーマル)は900円の発行手数料がかかります。
発行手数料が必要な分、Virtualよりもカード性能は少し高くなっていますが、900円以上の価値があるかどうかは使い方によって変わってきます。
ポイント還元率
決済利用時にポイントが還元されますが、還元率は決済に利用する残高の種類によって異なります。
Kyashマネー | Kyashバリュー | |
---|---|---|
ポイント 還元率 | Virtual:0.5% ノーマル:1.0% | Virtual:0.2% ノーマル:0.2% |
ポイント 付与上限 | Virtual:600P/月 ノーマル:1,200P/月 | Virtual:100P/月 ノーマル:100P/月 |
チャージ 方法 | 銀行口座 コンビニATM | クレジットカード Kyashポイント イマすぐ入金 |
Kyashマネーは、銀行口座やATMなどを用いて現金からチャージした残高になります。
一方で、Kyashバリューは、クレジットカードやポイントからチャージした残高になります。
Kyashをお得に活用するのであれば、『Kyashバリュー』を使うことになります。
しかし、Kyashバリューのポイント還元率はVirtual、ノーマルともに0.2%であり、月100Pまでしか付与されません。
決済上限としては50,000円までが0.2%還元の対象になります。
さらに、500円毎に1Pが付与されるため、500円未満の決済利用時や、999円決済時の499円に対してポイント還元は発生しないので注意してください。
付与ポイントのKyashポイントは、1P=1円として残高にチャージして使用します。
チャージ方法
チャージできるカードブランドは、Visa / Mastercard / JCB / Amexになります。
また、銀行口座やコンビニATMからチャージすることが可能です。
イマすぐ入金というあと払い制のチャージ方法がありますが、手数料が500円以上かかります。
特別な理由がない限り、使用することはやめましょう。
決済方法
スマホの決済方法としては、Visaのタッチ決済とQUICPay決済を利用することができます。
しかし、QUICPay決済の利用終了が発表されました。※公式サイト
既に発行しているカードのQUICPay決済は、2025年8月31日18時以降利用できなくなるので注意してください。
Virtualは、Apple Pay(Visaのタッチ決済)やGoogle Pay(Visaのタッチ決済)に対応しているため、実店舗でも決済することができます。
ノーマルは、ICチップ付きのリアルカードなので、店舗での通常決済やリアルカードのVisaタッチ決済が利用できます。
決済・残高上限
カード種類の違いが最も大きく影響してくる性能がカード決済上限です。
カード | Virtual![]() | ノーマル![]() |
---|---|---|
決済上限 | 10万円/回 15万円/月 | 30万円/回 100万円/月 |
残高上限 | Kyashマネー:100万円 Kyashバリュー:1,000万円 |
Virtualの決済上限は、1回10万円、月15万円までとなっています。
一方、ノーマルは1回30万円、月100万円であり、Virtualよりも使いやすくなっています。
チャージ不可・ポイント還元対象外の利用先
Kyashは、他社キャッシュレス決済からのチャージ、他社キャッシュレス決済へのチャージがほとんどできません。
そのため、キャッシュレス決済を組み合わせた決済ルートで活用することができないのが現状です。
また、クレジットカードの中にも、Kyashへのチャージがポイント還元対象外となるカードがいくつか存在します。
チャージできない利用先
KyashはVisaブランドであるため、Visa非対応の『JAL Pay』や『WAON』にチャージすることはできません。
しかし、Visa対応のキャッシュレス決済においても,ほとんどがチャージ不可となっています。
唯一、チャージ可能かつポイント還元が発生するキャッシュレス決済が『TOYOTA wallet』です。
ただし、TOYOTA wallet自体にポイント還元はありません。
そのため、「Kyash → TOYOTA wallet → Kyashがポイント還元対象外の利用先(モバイルSuicaへのチャージ等)」のような経由用途で活用することになります。
ポイント還元対象外の利用先
モバイルSuicaへのチャージ利用は、ポイント還元の対象外となっています。
還元対象外やチャージ不可といった改悪は急に入ることがあるので、最新情報はチェックするようにしましょう。
ポイント還元対象外のクレジットカード
以下のクレジットカードは、公式で利用時のポイント還元対象外とアナウンスされているものです。
アナウンスされずに還元対象外の場合もあるので、利用時には確認するようにしましょう。
また、ポイント還元率が低減するカードも存在するので注意してください。例:セゾンカード(永久不滅ポイント)
Kyash CardとVirtualの違い
2ランクあるKyashカードの選び方をここでは解説します。
高性能の『Kyash Card』は発行手数料900円に見合う価値があるかが判断基準になります。
Kyash Cardの優位性
カード | Virtual![]() | ノーマル![]() |
---|---|---|
発行手数料 | 無料 | 900円 |
Kyashマネー ポイント還元率 | 0.5% 上限600P/月 | 1.0% 上限1,000P/月 |
決済方法 | – | リアルカード |
決済上限 | 10万円/回 15万円/月 | 30万円/回 100万円/月 |
チャージ上限 | 10万円/回 | 30万円/回 |
Virtualと比べた時のノーマルの優位性は以下になります。
銀行口座やATMからチャージした残高である『Kyashマネー』のポイント還元率は+0.5%されます。
しかし、クレジットカードからチャージした残高である『Kyashバリュー』のポイント還元率は0.2%で両者に違いはありません。
決済利用上限も増えますが、Virtualで事足りるケースの方が多いと思われます。
この優位性に900円を払う価値があるかは使う方次第なので、よく判断してください。
代替となるプリペイドカード
ICチップ付きのリアルカードがある他社プリペイドカードは以下になります。
ワンバンク (B/43) ![]() | IDARE![]() | MIXI M![]() | |
---|---|---|---|
発行 手数料 | 500円 ※初回のみ | 900円 | 1,000円 |
決済上限 | 100万円 /日, 月 | 100万円 /回, 月 | 50万円 /回, 月 |
ポイント 還元率 | 無し |
この中では発行手数料が安価で、決済上限も大きい『ワンバンク(B/43)』がおすすめです。
『IDARE』も期間限定キャンペーンとしてリアルカード発行手数料のキャッシュバックをしていることがあります。
Kyashにこだわりがなければ、こちらのリアルカードの方がおすすめです。
B/43、IDARE、MIXI Mについてはこちらで解説しています。
また、各プリペイドカードの性能や活用方法をまとめたこちらの記事も参考にしてください。
Kyashの補償内容
不正利用
Kyashの不正利用時の補償については利用規約のKyashマネーは第31条、Kyashバリューは第27条に明記されています。
利用規約 一部抜粋 ※マネーとバリューは同じ文言
5. 当社の補償の内容は以下のとおりとなります。
(1) 当社は、利用者が第三者に不正利用された金額から、当社以外の第三者から回収できた金額または補償を受けられた金額を差し引いた金額を補償します。
IDAREの不正利用時の補償と同じ文章が記述されています。
詳細は不明ですが、必ずしも全額補償されるとは限らないということは言えるでしょう。
不正利用を防止するために、カードロック機能やオンライン決済ロック機能が備わっています。
必ず、使用しない時はロックしておくようにしましょう。
会社の破産
前払式支払手段であるプリペイドカードは、資金決済法に基づき、残高の半額以上の額を発行保証金として法務局等に供託等を行うことが義務付けられています。
Kyashバリューに関しても次のように明記されています。
資金決済法に基づく表示 (前払式支払手段)
供託金
資金決済法第14条1項
当社は資金決済に関する法律に基づき、毎年3月31日および9月30日における Kyashバリュー未使用残高の半額以上の額を発行保証金として法務局等に供託等を行うことで、Kyashバリュー保有者の資産保全を行っています。なお、当社は供託金を東京法務局(供託所)に預けております。
資金決済法第31条1項
万が一の場合、Kyashバリュー保有者は、資金決済に関する法律第31条の規定に基づき、上記に従
ってあらかじめ保全された発行保証金について、他の債権者に先立ち弁済を受けることができます。
すなわち、Kyashが使用不可となった場合の残高補償は最低でも半額ということになります。
一方、Kyashバリューは全額返還できるような契約を三井住友銀行と締結しているようです。
可能性は低いかもしれませんが、あまり残高にお金を入れすぎないようにしましょう。
期間限定キャンペーン
Apple Payに登録・利用で10%ポイント還元

2025年6月3日(火)~7月15日(火)の間、Apple Payに登録してVisaタッチ決済を利用した金額に対して10%のポイントが還元されるVisaのタッチ決済対応記念キャンペーンが実施されています。
キャンペーン期間 | 2025年6月3日~7月15日 |
エントリー有無 | 無し |
特典内容・条件① | Kyash Card or Virtualを Apple Payに登録 |
特典内容・条件② | Apple PayでVisaのタッチ決済を利用 → 10%還元, 最大500P ※リアルカードのタッチ決済は対象外 |
付与時期 | 2025年7月下旬頃 |
このキャンペーンはApple Payを利用できる全ての方が対象です。
ポイント付与上限が500Kyashポイントであるため、5,000円までの利用が10%還元対象です。
リアルカードによるVisaのタッチ決済は還元対象外になるので注意してください。
Kyash Card Liteから切替で最大900P

2025年6月12日(木)~7月31日の間、サービスが終了するKyash Card Liteから他のカードに切替をすることで最大900PがもらえるKyashポイントプレゼントキャンペーンが実施されます。
キャンペーン期間 | 2025年6月12日~7月31日 |
エントリー有無 | 無し |
特典付与対象者 | Kyash Card Liteを持っていること |
特典内容・条件① | Kyash Cardの発行・有効化 → 600P |
特典内容・条件② | Kyash Card Virtualの発行 → 300P ※特典①との併用不可 |
特典内容・条件③ | 本人確認の実施 → 300P ※キャンペーン前までに 本人確認が完了していない方が対象 |
付与時期 | 2025年8月頃 |
現在、Kyash Card Liteを持っている方限定のキャンペーンになります。
Kyash Cardの発行・有効化した場合、Kyashポイント600Pが付与されます。
もしくは、Kyash Card Virtualの発行をした場合、Kyashポイント300Pが付与されます。
深堀すると、Liteの発行手数料が300円だったので、発行手数料900円のKyash Cardに切り替えると、実質600円で発行できることになります。
Virtualに切り替えると、Liteの発行手数料300円分のポイントが返ってくるのと同義です。
こちらの特典はどちらかしか付与されないので注意してください。
また、キャンペーンが開始される6月12日より前に本人確認を実施していない方は、このキャンペーン期間中に実施することで、Kyashポイント300Pが付与されます。